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スタートアップと投資家に「戦略的出会い」を──IVS2025にNIKKEI THE PITCHの資金調達ラウンジ

2025年7月2~4日に、京都市内で開催された日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2025」。その地下1階フロアに、新たな取り組みとして「Funding Lounge powered by NIKKEI THE PITCH」が登場した。

本ラウンジは、あらかじめ意図されたマッチングを促す場として設計されている。プロデュースを手がけたのは、日本経済新聞社のスタートアップ支援プロジェクト「NIKKEI THE PITCH」。起業家とVCにとどまらず、大企業との協業や事業連携も視野に入れる。

主な対象は、基本的な商品開発(PMF)を終えたうえで、事業会社との連携によってさらなる成長を志向するスタートアップ。こうした企業と、CVCや事業会社の担当者、キャピタリストが対話する「壁打ち」、関心テーマごとのネットワーキング、自由交流の場などが用意されている。偶発性を生かしつつも、意図した出会いを生み出す構造だ。

「予習+マッチング」でより深い対話を

ラウンジは2つのエリアからなる。「壁打ちエリア」では、VCやCVCのキャピタリスト、事業会社のオープンイノベーション担当者が常駐し、起業家が事業の方向性や協業可能性について具体的な会話を行うことができる。

特徴的なのは「予習型マッチング」の仕組みだ。投資家はあらかじめNTPのWebサイト上で投資領域や注目テーマを提示。スタートアップ側はそれを事前に確認してから面談に臨むため、イベント当日の初対面から一歩踏み込んだ対話が可能となる。

SBIインベストメントの担当者は「事前に面談の予定はありましたが、飛び込みで来てくださるスタートアップも多かった」と評価する。同社はディープテックや地方発の企業にも注目しており、「普段出会えない方とも接点があった」と述べた。

IVS期間中に会場地下1階に「Funding Lounge powered by NIKKEI THE PITCH」が登場。連日、多くの投資家やスタートアップ関係者でにぎわった
IVS期間中に会場地下1階に「Funding Lounge powered by NIKKEI THE PITCH」が登場。連日、多くの投資家やスタートアップ関係者でにぎわった

テーマ別ネットワーキングで「意図された出会い」

もう一方の「ミートアップエリア」では、自由な立ち話・名刺交換に加え、「AI」「ヘルスケア」「プレシード」といったテーマ別ネットワーキングを実施。同じ関心領域や資金調達ステージの起業家・投資家が偶然ではなく意図的に出会える構造を採用した。

参加したディープテック系スタートアップからは「普段は研究者やお客様と接することが多く、投資家と直接話せる機会はなかなかない。立ち寄っていただいた方が自然に話を聞いてくれて、フィードバックをくださった。短時間で互いの関心領域を確認できたのは非常にありがたかった」と評価した。

ミートアップエリアでは投資家と起業家らが熱心に話し込む場面がみられた
ミートアップエリアでは投資家と起業家らが熱心に話し込む場面がみられた

金融機関の参加も

ラウンジ内にはSMBCベンチャーキャピタルとレオス・キャピタルパートナーズもブースを出展し、両社がスタートアップ向けに手掛けるサービスをアピールした。

SMBCベンチャーキャピタルの担当者は「起業家の方に、今後の資金調達についてのご相談をいただいた。今後の商談の約束もとりつけており、きっかけづくりの場として機能している」と手応えを語る。

来訪した起業家の業種は多岐にわたり、アーリーフェーズの挑戦者も多い。中には映像制作などVC投資の対象になりにくい領域からの参加もあった。それゆえに、「SMBCとつながりたい」「具体的な支援に向けたステップを相談したい」といった熱意のある参加者が多かったようだ。

SMBCベンチャーキャピタルの佐伯友史社長は「日経がスタートアップ支援に本気で取り組んでいることを、これまでの英フィナンシャルタイムズ買収などを通じて感じてきた。そんな信頼できるメディアと、金融機関が手を組むことは、スタートアップにとって非常に魅力的な支援体制になる」と出展の意義を強調した。

ラウンジ内にはSMBCベンチャーキャピタルがブースを出展。スタートアップとの出会いから新たな商談の機会が生まれていた
ラウンジ内にはSMBCベンチャーキャピタルがブースを出展。スタートアップとの出会いから新たな商談の機会が生まれていた

関係構築を見据えた支援へ Funding Loungeが示した接点設計の方向性

スタートアップの資金調達手法が多様化する中、出資だけでなく、事業会社との協業や事業開発を重視する動きが広がっている。「Funding Lounge」は、この潮流を踏まえ、単なる資金供給の場ではなく、企業とスタートアップの関係性を構築する起点として設計された。

今後、スタートアップの成長段階や事業フェーズに応じた接点づくりが、支援のあり方をどう変えるか、その展開が注目される。