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支援プロジェクト

起業家との絆を大切に ともに未来をつくっていきたい

創業初期から上場を視野に入れたフェーズまで、幅広くスタートアップを支援するSMBCベンチャーキャピタル(SMBCVC)。その最前線では、およそ24名のメンバーがスタートアップへの投資や事業の伴走に携わり、中にはベンチャーキャピタリストとしてキャリアをスタートして数年の若手もいる。彼らは起業家やスタートアップと真摯に向き合い研鑽を重ねて、何を成し遂げたいのか。SMBCVCの若手7名が、その思いを語り合った。

  • 馬籠勇人 氏(投資営業第四部)

    馬籠勇人
    (投資営業第四部)

    2016年三井住友銀行入行、2021年公募にてSMBCVCへ出向。趣味はスポーツ全般を観ること、トイプードルと暮らす愛犬家。神奈川県厚木市出身。

  • 岡野颯斗 氏(投資営業第三部)

    岡野颯斗
    (投資営業第三部)

    2020年三井住友銀行入行、2024年に公募にてSMBCVCへ出向。趣味はランニング、読書、お笑い鑑賞など。月200kmのランニングと仕事を両立。京都生まれ京都育ち。京都大学農学研究科修了。

  • 能勢和 氏(投資営業第二部)

    能勢和
    (投資営業第二部)

    2017年三井住友銀行入行、2020年SMBCVCへ出向。趣味は全国カレー巡り。岡山県出身。岡山大学文学部卒、在学中には成均館大学校へ留学。

  • 髙橋大 氏(投資営業第四部)

    髙橋大
    (投資営業第四部)

    2019年三井住友銀行入行、2024年に公募にてSMBCVCへ出向。好きな言葉は「立ち止まることは後退である」。趣味はサッカー観戦、読書。千葉県館山市出身。慶應義塾大学商学部卒。

  • 平野健太郎 氏(投資営業第四部)

    平野健太郎
    (投資営業第四部)

    2020年三井住友銀行入行し、2023年よりSMBCVCに出向。趣味はゴルフ、サウナ、キャンプ。熊本生まれ、福岡育ち。九州大学工学部卒・九州大学工学府量子物性工学科修了。

  • 杉谷謙太 氏(投資営業第一部)

    杉谷謙太
    (投資営業第一部)

    2014年にSMBC日興証券入社後、2022年よりSMBCVCへ出向。日本証券アナリスト協会検定会員。趣味は筋トレ、ゴルフ、野球、ビリヤード、サウナ。慶應義塾大学商学部卒。

  • 田中大貴 氏(関西投資営業部)

    田中大貴
    (関西投資営業部)

    2016年にみずほ銀行入行後、みずほキャピタルを経て2024年にSMBCVC参画。趣味は筋トレ、料理、読書。愛読書は「イノベーションのジレンマ」、「ビジョナリーカンパニー」、「21世紀の資本」など。愛知県豊橋市出身。京都大学経済学部卒。

総合金融グループの一員としてスタートアップを支援

SMBCVCのキャピタリストの多くは、三井住友銀行をはじめとしたSMBCグループの出身者だ。その後の異動などを経てスタートアップ支援に取り組んでいる。SMBCVCへのキャリアルートの一つは社内公募。あるメンバーは銀行員としてキャリアを重ねる中で、日本の課題解決に資するスタートアップの魅力に気づき公募に手を挙げた。

  • 馬籠銀行に入行してから5年間、関西と九州の法人営業部でデットファイナンスを中心としたソリューション営業に従事していました。中小企業から大企業まで、様々な業種のニーズを丁寧にヒアリングする中で共通の課題に気づいたのです。それは「人手不足」と「労働生産性」の問題。当時は新型コロナウイルスの影響で、DX(デジタルトランスフォーメーション)への関心が高まってはいたものの、まだこの問題に対する最適な解があまりないという実感値がありました。そこで、デジタルの力で日本企業に共通する課題解決に挑むスタートアップを支援したいと考え、SMBCVCを志しました。

一方で公募ではなく、ジョブローテーションの一環としてSMBCVCに所属するキャピタリストも存在する。入口は異なるがスタートアップ支援にかける思いは変わらない。

馬籠 氏
  • 能勢関西の法人営業部で新規取引先の開拓を行う中で、あるスタートアップの経営者と出会いました。まだ世の中に無い価値を生み出すために、日々高い熱量で仕事に取り組む姿を見て、こうした起業家と仕事がしたいと漠然と思うようになったのです。その後、縁あってSMBCVCに所属することになりました。VCとしての活動は現在6年目ですが、日々起業家に刺激を受けながら仕事をしています。

彼らの中には、SMBCグループの証券会社から異動してきたメンバーもいる。

  • 杉谷新卒でSMBC日興証券に入社し、上場企業のオーナーをはじめとする富裕層に対して、資産運用等の金融サービスから非金融サービスまでトータルでサポートするプライベートバンキング部門に所属していました。経営者として事業を拡大させてきた方々の話を聞いているうちに、エクイティを扱うプレーヤーとして上場前の早いステージからサポートできる方が、より大きな価値を社会にもたらすのではないかと考えるようになりました。SMBCVCに異動してからは、創業から上場直前までステージを問わず、幅広い業界の企業を数多く支援できる点に魅力を感じています。
杉谷 氏

困ったときに真っ先に相談してもらえる関係に

「人生を賭けた起業家と、明るい未来を築く―「絆」―」。これはSMBCVCの投資理念だ。投資先の経営支援に積極的に取り組み、一体となって企業価値向上を推進する。メンバーに共通するのは、常に起業家に寄り添う姿勢だ。

  • 馬籠起業家に伴走し、ともに未来をつくっていけることが仕事のやりがいです。当社では、ソーシング(投資先探し)からデューデリジェンス(企業調査)、投資の実行、投資後の支援まで、担当のキャピタリストが中心となり一貫して行います。起業家と同じ目線で事業に向き合えるよう、投資先の事業領域を常に学んでいます。
  • 能勢どんなときも起業家への尊敬を忘れずに、「起業家ファースト」の姿勢で支援に取り組んでいます。VCには各社それぞれ得意分野がありますが、私たちの強みは金融機関として培ってきたファイナンスの知識です。これも含め、困ったときに真っ先に相談してもらえる関係性を築きたいと考えています。
岡野 氏(左)と能勢 氏(右)
  • 髙橋同感です。企業経営の中で起業家は苦しい局面に直面することが度々あります。そうしたときに寄り添い、同じ視点に立って対等に話ができるよう、日々マインドやキャピタリストとしての能力を研鑽しています。
  • 平野起業家に「会えてよかった」と思われるキャピタリストを目指したいです。そのために、逆説的ではありますが投資を見送る際のコミュニケーションは非常に重要と考えています。投資に至らないケースが多い中で、事業内容をできる限り理解し今後の事業成長に生かせるような言葉を伝えられるように日々研鑽しています。一度は投資をお見送りした企業から、次の資金調達で再びお声がけいただけたときには、大きな喜びを感じました。
平野 氏

日本の経済成長や国際競争力強化に貢献したい

SMBCVCのメンバーが目指すのは、投資先企業の成長だけではない。スタートアップは、それぞれが日本の社会課題解決を目指して奮闘している。彼らが目標を達成するまで伴走することを通じ、日本全体の課題解決と成長に貢献したいと考えている。

  • 岡野大学院では農学研究科に所属していましたが、そこで強く感じたのが日本の研究力の低下です。理由は2つあります。1つは研究予算の不足で、これは国家的な課題です。もう1つは、大学で生まれた研究成果の社会実装が十分に進んでいないことです。こうした課題の解決に貢献したいと考えています。
    銀行系の投資会社であるSMBCVCでは、投資による資金供給だけでなく、グループのネットワークを生かしたマッチングで技術の社会実装を支援できると自負しています。現在、私はライフサイエンス分野の部署に所属して2年目です。将来は起業家の支援を通じて知見を深め、日本発のブロックバスター(売上高10億ドルを超える医薬品)を生み出すスタートアップへの支援を目指しています。
岡野 氏
  • 田中ディープテックの社会実装は、これからの日本にとって重要な課題です。そこで実装に向けて、大学発ベンチャーの創出を支援したいと考えています。具体的には、研究や技術を開拓して研究者に起業を働きかけ経営パートナーを探すなど、自らも主体的に関わっていくことを目指しています。過去の実績に基づいて行われる融資とは異なり、投資は企業の成長に賭けるものです。スタートアップへの投資と支援を通じて、日本の未来をともにつくっていくことが目標です。
  • 平野キャピタリストとして起業家の信頼を得るためには、自身の強みとなる専門領域を持つことが必要です。私は理系のバックグラウンドを生かし、今後さらに重要性が高まる宇宙領域や防衛分野などのディープテック(先端技術)に注力したいと考えています。また、私がメガバンクを選んだ理由の一つに、海外で活躍できるフィールドの広さがあり、スタートアップと海外企業の連携を橋渡しし、日本の競争力強化に貢献すべく業務に取り組んでいます。
  • 髙橋私自身、産まれたときから「失われた30年」と呼ばれる時代を生きてきました。その中で“日本の再成長”を実現するために必要なのは、新たな価値を社会に提供するスタートアップだとい思っています。銀行員としての約5年間も主にスタートアップのサポートをしていましたが、デットとエクイティは密接に関わっており、グループとしてその両面から支援できるSMBCグループの強みを活かしながら、キャピタリストとしてスタートアップを支援し、日本経済の発展に関わりたいです。
高橋 氏

日々研鑽するキャピタリストの仕事は「総合格闘技」、そして「絆」という覚悟。

起業家と同じ情熱を持ち事業の成長を支援するためには、キャピタリスト自身も日々成長し続ける必要がある。それぞれが目指すキャピタリスト像と向き合い、どのように業務に当たっているのかを聞いた。

  • 田中起業家とともに企業経営に深く関わるキャピタリストには、ファイナンスだけではなく、営業や人事、会計など様々な知識が求められます。その意味で私たちの仕事は「総合格闘技」とも言えるでしょう。胸を張ってキャピタリストであると言えるよう、今後も企業経営に関わる様々な分野の知識を深めていきたいと考えています。
  • 岡野ライフサイエンス系のスタートアップの経営者は、研究者や医師としてのキャリアを持つ方が多く、研究の実用化を目指して高い熱量で働いています。一方で、ライフサイエンス事業は成功の難度が高いのも事実です。この領域で成功する企業を増やせるよう、SMBCグループだからこそできる支援の形を模索していきたいです。
  • 杉谷キャピタリストとして特定分野の専門知識を高めていくことを心がけています。特にフードテックやエンターテインメントなど、日本ならではの強みを生かしグローバルで戦える領域に注目しています。私はSMBC日興証券での経験から、IPOやその先を見据えたサポートに強みを持っています。起業家が挑戦しやすい環境を整え、成功した起業家が次世代の起業家の支援者となります。そういったエコシステムをSMBCグループとして築いていけるよう業務に取り組んでいます。
  • 岡野私たちSMBCVCが大事にしているのは、起業家との絆です。人生を賭けて挑戦する起業家の思いに応えるため、私たち自身も覚悟を持って支援していきたいと考えています。
田中 氏