中嶋 汰朗氏
株式会社ROXX 代表取締役
2013年11月、青山学院大学在学中に株式会社ROXXを設立。Forbes 30 Under 30 Asia 2021 ENTERPRISE TECHNOLOGY部門選出。ソフトバンクアカデミア外部生。
スタートアップは大規模なスケールやIPOを目指し、その事業の芽を出し開花させるのは人と人との繋がりだ。起業家同士は切磋琢磨し、ベンチャーキャピタルは投資で資金面を支え、ネットワーク拡大を手助けする。雇用のミスマッチをITで解決するHRテックで注目されるROXXの中嶋汰朗氏、創業から成長を見守ってきたJTOWERの中村亮介氏、SMBCベンチャーキャピタルの安田純也氏。事業を通じた交流の中でお互いを高め合ってきた3人が語り合った。
株式会社ROXX 代表取締役
2013年11月、青山学院大学在学中に株式会社ROXXを設立。Forbes 30 Under 30 Asia 2021 ENTERPRISE TECHNOLOGY部門選出。ソフトバンクアカデミア外部生。
株式会社JTOWER 取締役副社長
コーポレート本部長
監査法人、コンサルティング会社、イー・モバイル株式会社(現 ソフトバンク株式会社)を経て2013年にJTOWER入社。2018年に常務取締役 CFOに就任し、東証マザーズ(当時)への上場、タワーシェアリング事業の資金調達などを推進。2024年6月より現職。
2006年三井住友銀行入行。2007年より企業調査部にてTMTセクターのアナリスト業務、ビジネスDDに従事。2011年現デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリーへ出向し財務DD業務等を行う。
2013年10月にSMBCベンチャーキャピタルにて勤務。主にITセクター領域を中心とした投資を行う。これまで2017年よりROXXに累計4回、2015年よりJTOWERに累計3回出資(その後上場)している。
未経験の求職者のための正社員転職プラットフォーム『Zキャリア プラットフォーム』やオンライン完結型リファレンス/コンプライアンスチェックサービス『back check』を開発・運営するHRテックカンパニー。雇用のミスマッチをテクノロジーで解決している。
国内初のインフラシェアリング会社として2012年6月に設立。建物内の携帯電話の設備を一本化する屋内インフラシェアリング・ソリューションを主軸に、屋外では郊外・地方エリアをカバーするタワーシェアリング、都市部を中心とした多機能型ポールなど事業領域を拡大している。
中嶋 (服装を見て)大丈夫ですか。僕だけ浮いてませんか(笑)。
中村 大丈夫(笑)。最初に出会った頃から、そんな感じだったよね。
中嶋 中村さんとの出会いは、僕が大学生の頃でした。青山学院大学の講義で、イー・アクセス(ソフトバンクと経営統合)を創業した千本倖生さんがメイン講師の「ベンチャー起業論」をたまたま受講したことがきっかけでした。元々起業家を志していたわけではなかったのですが、すぐに影響されてその気になり。2回目の講義からは、最前列で受講していました。
中村 今みたいにロックな服装で、ドレッドヘアだったんだっけ。当時、千本さんの講義に付き添っていた同僚から「起業を目指すおもしろい学生がいるぞ」と、中嶋さんを紹介してもらいました。
中嶋 中村さんは、ビジネスプランの壁打ちに何度も付き合ってくださったんです。ほとんどのアイデアに対する反応が芳しくなかった(笑)。でも、逆に少しでも興味を持っていただけたら、それが正解かなと思って事業化にチャレンジしました。
安田 なんでそんなに中嶋さんのことを目にかけていたのですか。
中村 純粋に話していておもしろかったからです。素直で、こちらが提案したことにすぐ取り組んでいて。見た目と礼儀正しさのギャップにも興味をひかれました。
中嶋 現在、当社の主力事業のひとつとなっている「back check」も、2016年頃に中村さんをはじめとした先輩たちとのやりとりを通して、アイデアが生まれました。自分自身も採用での意思決定に悩んでいた時期で、リファレンスを簡単にとれるといいなと考えていたんです。求職者にとってもメリットがあります。そのリファレンスがポジティブなものであれば、採用に有利に働くからです。
安田 労働市場の風通しを良くするサービスですね。
中嶋 事業を立ち上げるときは、周りに相談しながら手探りでヒントを探し、走り出したら愚直に駆け抜ける。それが経営者としての自分の「型」であると思っています。
安田 中村さんとの付き合いは、2010年頃、私が三井住友銀行に所属していた時に始まりました。当時在籍していた企業調査部は産業や企業のことを調査する部署で、主に通信業界を担当していました。そこで、当時はイー・モバイルに勤めていらした中村さんのカウンターパートとしてやり取りしていたんです。
中村 当時も密に連絡していましたね。
安田 驚いたのは、当時20代の中村さんが、エクイティで1,300億円を調達し、さらにデット2,200億円を集める企業のファイナンス部門で中心的な役割を務めていたこと。中村さんだけでなく、会社全体が仕事に対して熱量高く情熱的だったのも印象的で「ベンチャー企業っておもしろいな」と思い、SMBCベンチャーキャピタル(SMBCVC)への異動を申し出たんです。
中村 その後、JTOWER に転職し資金を調達する段階で、ベンチャーキャピタリストになった安田さんにお声がけしたんです。クロージングまで1ヵ月ほどしかなかったのですが、出資を決めてくださったのはうれしかったです。
安田 転属したばかりで社内での信用はこれからだったのですが、銀行の企業調査部で通信業界のことを深掘りした経験が役に立ちましたね。JTOWERには、中村さんや創業者の田中敦史さんをはじめ素晴らしい人材がいたことも、投資実現の後押しになりました。なにより、通信インフラのシェアリングによって、コスト削減による通信企業の競争力強化やサステナビリティに貢献することに社会的意義を感じたことが決め手です。
中村 安田さんに中嶋さんを紹介したのは、安田さんがSMBCVCに転属してから約2年後の2015年頃でしたね。
安田 ROXXへの最初の投資が2017年ですから、そこから2年さかのぼります。中嶋さんの第一印象は、周囲の人のために熱くなれる人だということ。当時、ROXXの主力事業は、個人が副業エージェントとして身近な人を企業に紹介する「SCOUTER」でした。その構想のきっかけが就職活動に失敗、あるいは就職してもうまくいかなかった友人に、次なるステージを用意したいと思ったことと聞いて胸が熱くなりました。
中嶋 「SCOUTER」事業はその後、2018年に撤退となりましたが(笑)。
安田 いえ、サービスはなくなったかもしれませんが、その思いは現在の主力事業の「Zキャリア プラットフォーム」や「back check」にもつながっています。常にロックな服装も含め、一貫性のある方だなと思っています(笑)。早いステージの企業に投資をする場合は事業はもちろんですが、経営者の熱意を評価したいと個人的には考えています。また、SMBCVCのカルチャーとしても、担当者の熱意を評価する姿勢があります。
中嶋 付き合いを通じて感じる安田さんの印象は、「常にサポーティブな方」です。顧客候補になるような方々の紹介をお願いするとフットワーク軽く対応してくださりますし、安田さんが主宰する起業家同士の交流会も刺激になっています。
また、SMBCVCには投資戦略部という顧客を紹介する専門のチームがあり、実際に多数の顧客候補をご紹介いただいたおかげで事業成長に繋がっています。
中村 SMBCグループのネットワークと信用力は、JTOWERにとって大きな手助けになりました。当社のインフラシェアリング設備は、不動産会社やデベロッパーからの設置許可が不可欠。創業初期は、担当者へのアクセス手段が乏しかったのですが、安田さんをはじめSMBCグループの力を借りて多くの決裁権者に会うことができました。
中嶋 当社は、SMBCVCからこれまでに4回ほど投資いただいていますが、追加投資そのものが資金調達時の助けになると感じています。内情をよく知る既存投資家による再投資が、何よりの信頼の証になるからです。
中村 当社も上場までに3回の投資を受けました。同様に感謝しております。
安田 当社のポリシーとして、未来を見据えて事業を進めている企業には、回数やステージに関わらず前向きに投資を検討しています。
中嶋 最初の投資からこれまでずっと、安田さんに担当いただけていることにもとても感謝しています。担当者が代わらないことで事業の目線をより共有しやすくなるので、腹を割って相談できます。
安田 金融機関は頻繁に異動があるイメージですが、SMBCグループは近年、一つの業務に取り組むスペシャリストを養成しようとする気運を感じます。
中村 当社はIPOでも、SMBCグループのSMBC日興証券に主幹事をお願いしました。SMBCVCは当社をイグジット(投資回収)していますが、上場の際に保有していた株式についても相談に乗ってもらい、柔軟に対応してくれたことは本当に感謝しています。
安田 イグジットは、バトンタッチであると考えています。企業には成長のステージごとに、適切な株主構成があると思います。イグジット後も、SMBCグループとしてデットファイナンス、コンサルティングなど、様々な局面で適切な支援が可能です。私自身はそのハブとなるために投資先の企業のことをよく知り、「社内営業」できるようになりたいと日々思っています。
中村 投資先と投資家の関係ではなくなっても、安田さんとは日本の社会課題に取り組むパートナーとしてお付き合いをさせていただいています。
安田 事業の主役は起業家です。私たちは、黒子として投資やネットワーキングを通じて、企業の成長をサポートしていきます。
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